土地の売却を検討しているのであれば、地中埋設物や瑕疵担保責任について知っておくことが重要です。今回は、これらのテーマについて、スムーズに売却するために知っておくべきことを解説します。それでは、引き続きお読みください。
地中埋設物とは?何か?
地中埋設物は、土地の利用に重大な支障をきたすことがあります。地中から発見される物には、かつての建物の地下室、建物の基礎、井戸や浄化槽などの大型の物、瓦やコンクリートガラなどの残置物など、さまざまな種類があります。また、あまり一般的ではありませんが、医療廃棄物、衣類、古タイヤなどが地中から発見されることもあります。このようなものの大きさや量が、すぐに撤去・処分できるものであれば、大きな手間はかからず、買主はその土地を取得した目的を達成できる可能性が高いでしょう。しかし、障害物の程度によっては、重機による掘削が必要となり、手間と費用がかかる場合があります。このような場合、買主は、土地を取得した目的を達成できない可能性があり、その場合、買主は、撤去費用等の損害賠償を請求したり、契約不適合の責任を主張して契約の解除を求めたりすることができます。
瑕疵担保責任について
法律によると、売主が地下埋設物の存在を知りながら、その情報を買主に開示せずに土地を売った場合、売主は “瑕疵担保責任” を問われる可能性があります。瑕疵とは、欠陥や不具合のことで、不動産取引においては、物件を見ただけでは発見が困難な欠陥や不具合のことを指します。瑕疵担保責任を問われた場合、買主は地下埋設物の撤去費用を請求することができ、場合によっては損害賠償を請求することもできます。
売主の瑕疵担保責任は民法に規定されており、売主は “瑕疵の存在を知った日から1年以内 “に瑕疵担保責任を負うとされています。しかし、この期間は売主に不利になることが多いため、宅建業法では、瑕疵担保責任の最低期間を “物件の引渡しから2年 “とする特約を契約書に盛り込むことができるようになっています。この条項により、売却完了後、合理的な期間内に発生した瑕疵についてのみ責任を負うことになり、売主を保護することができます。
地中埋設物を調べるには?
地歴調査
地質調査は、埋蔵物の有無を調査する最初のステップです。登記簿謄本や古地図、地形図などを確認し、過去にその土地がどのように利用されていたかを調べます。現在は住宅地として使われている土地でも、過去の資料を確認し、ガソリンスタンドやクリーニング店、工場などに使われていた場合は、埋蔵物があったり、化学物質で土壌が汚染されている可能性があります。そのような使用履歴が確認された場合、より詳細な調査が必要となります。過去の状況をどこまでさかのぼるかによりますが、簡単な調査であれば5万円〜10万円程度で行えます。
地中レーダー探査
地中レーダー探査は、地中に埋設された構造物を発見するための非破壊検査であります。地表にアンテナを走査し、その反射波形から地下の堆積物や空洞、地盤の緩みなどの有無を検出し、調査費用は土地の広さによって異なりますが、一般的な住宅地であれば10万円から15万円程度が目安です。
ボーリング調査
ボーリング調査は、地歴調査や地中レーダー調査などを経て、地下に鉱脈が存在する可能性が高い場合に実施されます。ボーリング調査では、まずボーリングマシンで地中に約8cmの穴を開け、その穴にサンプラーと呼ばれる筒状の鉄の部品を挿入し、サンプラーの上の所定の高さからハンマーを落とし、ハンマーの打撃回数で地盤の強さを測定します。
この方法によって、地盤の強さがわかり、その土地に建物を建てるかどうかの重要な判断材料となり、地面を貫通させるのに必要な打撃回数が、地盤の強さを表しています。地盤が強固であればあるほど、より多くの打撃が必要となります。このように、ボーリング調査は、ある敷地が建築に適しているかどうかを判断するための重要なツールなのです。